計画研究
①マウス精巣ゲノム、エピゲノム、遺伝子発現解析:父加齢によるエピゲノム制御に関わる候補転写抑制因子RESTについて、技術支援班の協力によりゲノム編集による標識ノックインマウスを作製し、精巣における発現細胞の同定を行った。②仔マウス個別脳内遺伝子発現様態解析および脳画像解析: 昨年度までに得られた胎仔脳RNA-seqデータのうち、雄についての解析を行い、父加齢により発現上昇する遺伝子が増加することが見いだされ、さらに共通する遺伝子としてRESTの標的遺伝子がエンリッチしていることを明らかにし、前年度までの行動解析と合わせてEMBO Reportに論文発表した。野生型雄マウスの加齢による仔マウスへの影響を解析するために、個体識別を行った仔マウスの脳構築について、神経活動マーカーc-Fosを用いた神経活動の可視化を昨年度までにほぼ確立し、超音波発声測定前後の神経活動を全脳において解析した。超音波発声測定の2時間後にc-Fosの発現増加が観察される脳領域の絞り込みを行った。③仔マウス個別多種行動解析および脳生理機能解析:個体識別を行った仔マウスについて、生後3、6、9、12日目における母仔分離超音波発声の発達過程を詳細に解析し、主成分分析に加え、深層学習を用いたオートエンコーダによる超音波発声の発達過程の軌跡を解析した結果、若齢雄由来の仔では日数を追うに連れて第1および第2成分が収束し個体ごとのばらつきが減少するのに対して、加齢雄由来の仔では第1および第2成分成分が収束せず個体ごとにばらつきが大きいままであることを見出した。すなわち、父加齢は仔マウスの発声行動の多様性を増す要因であることが確かめられた。また、領域内共同研究として、星野らの自閉症モデルマウス(Auts2変異マウス)を用いて、同様の機械学習解析を行った。これらの成果をbioRxivに公開し、論文投稿を行った。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
Prenatal BPA Exposure May Contribute to the Male Bias of Autism Spectrum Disorder. https://www.tohoku.ac.jp/en/press/prenatal_bpa_exposure_male_bias_asd.html.「個性」創発脳. http://www.koseisouhatsu.jp/
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 7件) 図書 (1件) 備考 (5件)
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