計画研究
ヒトの行動の多様性を担保する「個性」創発の脳内メカニズムを知る手法として、実験動物の脳神経回路機能を計測評価する技術を開発し、特にA02項目の研究班に計測手法を提供するとともに、A03項目のデータベースにデータを提供し、A01項目のヒトの「個性」創発機構の解明に資することを目的とした。神経回路における「個性」の計測は現在の測定技術の精度を超えている。そこで、より強調された「個性」として、化学物質の胎生期・発達期ばく露モデルマウスを使うことを企画した。脳内メカニズムの候補としてシナプスの興奮/抑制(E/I)バランスの変化がもたらす、脳領野間の連携の変化を考えた。このような変化を定量的に捉える手段として膜電位感受性色素(VSD)によるイメージングと行動プロファイリングの組合せとを組合せた網羅的な行動-神経回路活動計測法を開発した。強調された「個性」を計測の基準軸として、A02項目と連携し、「個性」の計測評価を行う。遅発中枢影響がよく知られているバルプロ酸、ビスフェノールなどの物質や、他の神経作動性化合物の周産期投与モデルでの定量的評価を進めた。また、異なるタイプの評価比較モデル系として一般に「性質」が異なるといわれている近郊系実験用マウスの評価を進め性質の違いに結びつく神経回路動作の差異を抽出した。その一方、計測装置の改良を進め、より広い視野での回路計測をする実験系を構築、無染色標本での新規の光信号の計測を成功させた。一方、海馬以外の評価神経回路として、嗅内野(EC)、嗅周囲皮質(PC)、嗅周囲皮質(PC)、前帯状皮質(ACC)の神経回路活動のデータを集積した。モデル系の構築、海馬神経回路での計測の精度とスループット性の向上、新規の計測系の構築を進めた。また、海馬以外の神経回路として、EC、PC、上位の情報処理機構と関係するACCにおいて、回路動作のカタログ化を進めた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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