研究領域 | 多様な「個性」を創発する脳システムの統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
16H06534
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
柴田 智広 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (40359873)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 脳・神経 / 計測工学 / 機械学習 / 情報工学 |
研究実績の概要 |
(1)マーカレス表現型記録システムの開発 床下のRGB-D画像センサに加えて、床上に3~4台のRGB-D画像センサを用いる、マーカレス表現型記録システムの開発を進めた。これにより、マウスが立位の状態でも上肢や手先を追跡できるセットアップとなった。また、マウスの計測実験を行い、深度画像の解析を多角的に行った結果、白毛マウスに対しては、足裏や鼻づらという特徴を頑健に抽出するには、深層学習アルゴリズムを適用するなど、新たな取り組みが必要があることが判明した。このために深層学習用のワークステーションを1台追加で購入し、基礎的な畳み込みニューラルネットワークを用いた画像解析に取り組み、以前よりは特徴抽出性能が向上した。 (2)大規模行動データのマイニングアルゴリズムの開発 高次元データから非線形な低次元空間を求めることができるガウス過程潜在空間モデル(GPLVM)や、高次元データの可視化アルゴリズムとして定評のあるt-SNEなど、機械学習アルゴリズムを用いて、(1)に対してデータの可視化やクラスタリングを行うコンポーネントやユーザーインタフェースの開発に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マーカレス表現型記録システムについて、複数のRGB-D画像センサを用いたシステムを開発し、その有効性の一端を確認することができた。また、当初想定しなかった課題についても、新たに深層学習に取り組むことによって、解決できる可能性が示唆された。まだ大規模行動データを収集するには至っていないが、マイニングアルゴリズムの開発は順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
マーカレス表現型記録システムについて、引き続き改良を行う。現在入手可能なRGB-D画像センサの解像度に対して、マウスが小さいため、アルゴリズム開発研究としては、ラットを対象に進めることも検討する。また、時系列解析として近似的な時系列ベイズ推定の利用も検討する。大規模行動データのマイニングアルゴリズムについては、異常検知の観点から研究開発を進める。
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