研究領域 | 生物ナビゲーションのシステム科学 |
研究課題/領域番号 |
16H06539
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前川 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447025)
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研究分担者 |
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 生物移動情報学 / データロガー / バイオロギング / 機械学習 |
研究実績の概要 |
近年のセンサ技術の進展により、ヒトやさまざまな動物の移動データを大規模に取得できるようになりつつあり、移動データから動物のナビゲーション機能を解明することが可能になると期待される。本計画班では、大量に蓄積された移動データから動物の「回避」や「エサの探索」といった移動パターンの分類体系や、刺激による移動パターン変化発現の有無といった知識・法則の発見を支援する基盤の構築および整備を行うとともに、制御工学班と共同で動物に添付する小型多機能ロガーの開発を目指す。 本年度は特に進展のあった小型多機能ロガーの開発について報告する。 A01橋本、公募班A01村尾と連携し、革新的ロギングデバイスのハードウェア設計・開発(橋本の中間報告書参照)および、そのソフトウェアロジックの開発を行った。ロガーが搭載するカメラの消費電力は他のセンサに比べて大きく、連続で2時間程度しか動画を記録できないため、生態学者が興味のある行動を映像として収めることは難しい。そこで、本研究では、低消費電力なセンサを用いて生態学者が興味のある行動を自動的に検知し、そのタイミングで自動的に動画を録画する、イベント駆動型データロガーを実現した。事前に観測したデータを用いて、生態学者が興味のあるデータセグメントをラベリングすると、そのデータと類似した行動を自動的に検知する機構を、機械学習を基に実現した。このとき、CPUやメモリに制約のあるロガー上でも機能するモデルを、認識性能を保ちつつ自動生成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
既に、30mまで潜水する海鳥にロガーを添付し、その映像撮影に成功しており、予定より2年ほど早く進展している。 一方、飛行する海鳥に関しては映像の撮影には成功したが、GPSなどのデータの記録に失敗している。
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今後の研究の推進方策 |
ロガーの頑健性を向上させることで、これまでに記録に失敗したデータの取得を成功させる。 ロガーのコネクタ端子部に脆弱性があることが分かったため、その改良を行っている。 また、論文執筆のために十分な量のデータ収集を行い、論文執筆を進める。 具体的には、ウミネコ、オオミズナギドリ、キバナウのフィールドワークを行い、得られたデータを基に論文執筆・投稿を行う。
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