計画研究
1.NPQ作動原理の解明:維管束植物のチラコイド膜では「半結晶性PSIIアレイ」と呼ばれる低照度下でのみ出現する分子構造が観察されているが機能的役割は明らかにされていなかった。本研究では、低照度順化したホウレンソウ葉において、PSII-LHCII 超複合体を単量体および多量体として同定し、多量体型は低照度への構造適応であり、PSII-LHCII超複合体の分解は高照度への適応であることを示した。また、モデル緑藻類 Chlamydomonas から単離した 4 種類の LHCII 三量体のエネルギー散逸能について分光学的解析を行い,それぞれのLHCII 三量体のエネルギー散逸能に大きな違いがあることを明らかにした。2.光合成生物の環境応答の解明:光環境(光質(色)、光量(強度))、pHなどの変化に伴う励起エネルギー移動過程の応答について、ピコ秒時間分解蛍光分光法および定常蛍光分光法により追跡した。また、2種の珪藻PhaeodactylumとChaetocerosの変動光に対する応答を調べたところ、共通の応答としてPSIIでの消光(数百ピコ秒)、前者のみの応答としてPSII→PSIエネルギー移動の抑制、後者のみの応答としてアンテナ色素タンパク質での消光が起きることがわかった。さらに、種々の色素タンパク質超複合体の構造を解明し、構造に特徴付けられる励起エネルギー移動過程の同定を行った。3.光合成測定および技術開発:クロロフィル蛍光によりプラストキノンとNADPHの酸化還元状態を一回のクロロフィル蛍光測定により見積もる方法を開発し、クロロフィル蛍光測定のスクリーニングなどへの応用についてまとめた。また、領域内共同研究によりNADキナーゼのシアノバクテリアにおける機能、シアノバクテリアの窒素代謝のメカニズムを明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (31件) (うち国際共著 9件、 査読あり 31件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Plants
巻: 10 ページ: 1483
Frontiers in Plant Science
巻: 12 ページ: 717968
Plant and Cell Physiology
巻: 62 ページ: 668-677
巻: 62 ページ: 721-731
Journal of Plant Research
巻: 134 ページ: 653-664
Biochimica et Biophysica Acta
巻: 1862 ページ: 148306
巻: 1862 ページ: 148327
巻: 1862 ページ: 148350
Plant Science
巻: 304 ページ: 110798
Communications Biology
巻: 4 ページ: 343
Journal of Bioscience and Bioengineering
巻: 131 ページ: 277-282
Photosynthesis Research
巻: 149 ページ: 303-311
Nature Plants
巻: 7 ページ: 1119-1131
巻: 62 ページ: 872-882
Plant Physiology
巻: 185 ページ: 1894-1902
PLoS ONE
巻: 15 ページ: e0237173
Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology
巻: 209 ページ: 111950
Journal of Biological Chemistry
巻: 295 ページ: 17816-17826
Planta
巻: 252 ページ: 79
Journal of Physical Chemistry Letters
巻: 11 ページ: 7755-7761
J. Biol. Chem.
巻: 295 ページ: 14537-14545
Plant Physiol.
巻: 183 ページ: 1725-1734
Photosynth. Res.
巻: 146 ページ: 143-150.
巻: 146 ページ: 189-195
巻: 146 ページ: 227-234
J. Phys. Chem. B
巻: 124 ページ: 1481-1486
巻: 124 ページ: 1949-1954
巻: 144 ページ: 397-407
Commun. Biol.
巻: 3 ページ: 232
Nat. Commun.
巻: 11 ページ: 2481
巻: 124 ページ: 4919-4923