認知制御が刻々の状況に動的に順応する機序を明らかにするため、競合課題遂行中にfMRI測定を行なった。刺激の色により指定される方向のボタンを押す課題で被験者を訓練した。色で指定されるのと同じ(一致条件)または反対(不一致条件)の方向を指す矢印、または矢頭なしの線分(中立条件)を色刺激の上に置いて課題遂行を部分的に妨害した。右前頭眼窩皮質外側部の活動パターンは、前試行の条件(一致/中立)と、現試行の条件(一致/不一致)を表現した。そして、競合コストが前試行の条件(一致/中立)に依存する強さは、その被験者の眼窩皮質における前試行条件表現の強さに負相関し、現試行条件表現の強さに正相関した。
|