計画研究
統合失調症患者と健常者をリクルートして、それら被験者に視覚刺激を提示し、その際の全脳活動をfMRIによって連続記録した。fMRIデータの解析には視覚刺激にアノテーションをして、そこに含まれている単語は数百次元のベクトルに変換され、この単語ラベルベクトルの経時的変化とfMRIの時系列ベクトルとの間で回帰を行った。回帰行列の逆行列から、各単語の脳内ベクトル表現を取得した。各単語の脳内ベクトルを主成分分析や多次元尺度法で低次元に縮約し、統合失調症と健常者の脳内ベクトルを比較した。サンプル数が不十分であるため、まだ、患者と健常者の判別ができるまでには至っていないが、今後、サンプル数を増やして検討していく。また、両群で脳内意味表象のパターンが異なる意味カテゴリーの同定も試みた。生物と人工物の間で両群に違いがある傾向も見られたが、やはりサンプル数が不十分であるため予備的な検討の段階である。
2: おおむね順調に進展している
28年度はややサンプル数の足りないため、予備的な検討となったが、サンプル数の増加は来年度の早期に見込まれる。予定されていた解析は進んでいる。
更にサンプル数を各群15名程度までに増やす。そのうえで、両群で脳内意味表象のパターンから、両群を判別することを試みる。また、両群で脳内意味表象のパターンが顕著に異なる意味カテゴリー(単語)のペアを同定し、それらのカテゴリー(単語を用いたDeese-RoedigerMcDermott課題(概念間の結びつきが強いと、誤記憶でfalse alarmにつながる)等を作成し、脳内意味表象の距離とカテゴリー(単語)の連想の程度との対応を心理・行動課題を用いて検討する。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 6件)
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