研究実績の概要 |
前年度に引き続き、京都大学医学部附属病院・関連病院にて京都大学大学院医学研究科精神医学の大学院生数名の協力を得て、統合失調症、依存症患者、摂食障害、自閉症をリクルートをした。前年同様3T MRIによる脳データT1構造画像、diffusion tensor imaging(DTI),安静時fMRIを撮像した。解析ソフトでT1構造画像は灰白質の密度、皮質厚、DTIは白質:解剖学的結合性、安静時fMRI機能的結合性を調べる。統合失調症患者においてタスクfMRI課題として物体の鮮明な視覚刺激とその視覚刺激にノイズを加えた曖昧視覚刺激を見せた時の脳活動を計測した。fMRI実験に先立って物体の視覚刺激をデコード可能な状態にトレーニングされたdeep neural networkを用意した。先行研究より、健常者では曖昧画像を見せた時の脳活動からデコーディングされたものは鮮明画像のdeep neural network(特に高次視覚野に相当する層)のパターンに近づき、トップダウンの影響が示唆されている。統合失調症ではトップダウンの異常も指摘されており、曖昧画像を見せた時の脳活動からデコーディングされるパターンを検証のための解析を行っている。柔軟な意思決定が困難な依存症患者(Fujino et al 2018)、摂食障害(Isobe et al 2018)、自閉症(Tei et al 2018,Fujino et al 2019a,b)に関しては、その神経基盤や行動パターンを明らかにして論文に発表した。2018年2月より、京都大学から東京医科歯科大学に異動になり、研究環境整備、倫理委員会の申請準備を行った。
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