計画研究
ユビキチン化は最も代表的なタンパク質翻訳後修飾の一種であり、近年ではタンパク質分解のみならずDNA修復、エンドサイトーシス、NF-κBシグナル等の様々な細胞内分子機能を制御することが明らかとなってきている。本研究グループでは、先行研究において13種類の代表的なヒトがん細胞の大規模アセチル化及びユビキチン化プロテオーム解析を行い、5,000種類を超えるユビキチン化ペプチド並びに1,600種類以上のアセチル化ペプチドを同定し、全体で約900種類の新規被修飾部位を検出することに成功した (Kozuka-Hata et al., Biomolecules, 2020)。これらの解析結果を基に、先行研究で使用した13種類のがん細胞の中で定常状態におけるユビキチン化レベルが最も亢進していた HeLa 細胞に焦点を当て、安定同位体を用いた相対定量技術である SILAC (Stable Isotope Labeling by Amino acids in Cell culture) 法を用いてプロテアソーム阻害剤 MG132 存在下及び非存在下におけるEGF刺激依存的なアセチル化・ユビキチン化時系列動態解析を実施したところ、大変興味深いことにMG132依存的に多くのタンパク質におけるユビキチン化活性が低下していることが明らかになった。更に、本年度秋に当研究施設に導入された最新型の Orbitrap Eclipse Tribrid質量分析計を用いて高深度時系列定量プロテオーム解析を行った結果、全体で約10,000種類のタンパク質を同定し、脱ユビキチン化酵素やプロテアソームサブユニット等の様々なユビキチン化関連タンパク質のEGF刺激依存的な動態の詳細をシステムレベルで計測することに成功した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
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