計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
抗がん剤などの薬剤が効かなくなる耐性獲得が問題となっている。耐性獲得へのエネルギー代謝の関与を明らかにするために、がん細胞中の代謝を計測した。その結果、ミトコンドリアでの呼吸と細胞質での好気的解糖という2種類のエネルギー獲得経路のバランスが耐性獲得に重要であることを見出した。このバランスを崩すことで、耐性を回避する新たな方法の開発につながると期待される。
代謝工学
抗がん剤などの薬剤は細胞内代謝を擾乱するが、細胞はその影響を打ち消す恒常性を維持することで、薬剤耐性を示すと考えられている。本研究では、代謝流束(フラックス)の測定によりエネルギー代謝の代謝恒常性維持機構の解明を試み、ATP再生経路の補完的な制御が耐性獲得に寄与することを見出した。さらに、代謝フラックスと他のオミクスデータを組み合わせて動的代謝数理モデルの機械学習を行う新たな代謝解析手法を開発した。