| 研究領域 | 脳情報動態を規定する多領野連関と並列処理 |
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| 研究課題/領域番号 |
17H06311
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| 研究機関 | 玉川大学 |
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研究代表者 |
川口 泰雄 玉川大学, 脳科学研究所, 研究員 (40169694)
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| 研究分担者 |
窪田 芳之 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 准教授 (90192567)
倉本 恵梨子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60467470)
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| 研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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| キーワード | 前頭皮質 / 錐体細胞 / FS細胞 / 振動 / 局所回路 / 皮質間投射 |
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| 研究実績の概要 |
前頭皮質固有の回路則の解明と局所サブネットワーク機能の理解を目指して、以下の提案と実験解析を行った。
(1) 前頭皮質FS細胞による5層興奮性サブネットワークの同期制御
前頭皮質5層の錐体細胞には、対側線条体へ投射するcrossed corticostriatal (CCS)細胞と、同側橋核へ投射するcorticopontine (CPn)細胞という二つのサブタイプがある。サブタイプ間の結合がCCS細胞からCPn細胞への一方向性であり、階層が異なる二つの興奮性サブネットワークが作られている。これらのサブタイプの結合様式・伝達特性の解析結果から、CPn細胞とGABA作動性FS細胞間の結合がガンマ振動生成において重要であると推測した。更に、FS細胞の電気シナプスに関連した結合選択性も取り入れて、一部のFS細胞と5層下流のCPn細胞がガンマ振動で同期し、その活動が5層上流のCCS細胞へ逆行性に伝搬することで、同時に活動するCCS細胞とCPn細胞のサブグループが作られることを提唱した。
(2) 前頭皮質2層の両側・片側興奮投射系の局所回路
二次運動野の主要な皮質出力先である対側M2および同側嗅周皮質への投射様式を、細胞構築・分子発現から区分した2層、3層、5層上部で比較した。3層と5層上部では2つの出力先に分枝して、同時に投射する細胞が多く見られたのに対して、2層の細胞は出力先ごとに異なる細胞グループを形成していた。さらに樹状突起の形態と電気的性質も異なっていた。2層の興奮性シナプス結合は同種・異種サブタイプ間で作られていたが、異種間での結合は対側二次運動野に投射するサブタイプから、同側嗅周皮質に投射するサブタイプへの一方向性結合であった。5層と同じく、2 層でも両側投射細胞から片側投射細胞への一方向性結合があると考えられた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新皮質局所サブネットワーク理解の為に明らかにしてきたニューロンサブタイプと結合選択性を、振動現象の回路理解に結びつけることができた。5層だけでなく、2/3層の興奮性サブネットワークを明らかにできた。
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| 今後の研究の推進方策 |
2/3層と5層の興奮性局所サブネットワークをかなり同定できたので、これらに共通した主要な出力である皮質間投射の構造と機能を明らかにする解析を進めることで、局所サブネットワークごとの機能的意義を明らかにしていきたい。
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