研究領域 | 熱ー水ー物質の巨大リザーバ:全球環境変動を駆動する南大洋・南極氷床 |
研究課題/領域番号 |
17H06319
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
茂木 正人 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50330684)
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研究分担者 |
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (60224250)
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40192819)
橋田 元 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (00280537)
須藤 斎 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80432227)
真壁 竜介 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (40469599)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 南大洋 / 動物プランクトン / 魚類・頭足類 / ハシボソミズナギドリ |
研究実績の概要 |
2017年度は、南大洋における本観測は無かったが、2018年1月に本研究でターゲットとしている海域での観測航海を行い(当該科研費とは別の予算)、動物プランクトン、魚類、頭足類等のサンプルを得た。この航海のために、本観測で用いる東京海洋大学「海鷹丸」の10月に行われた国内航海に参加し、観測機器の動作確認や観測手順の確認を行った。 本科研費で大型フレームトロールMOHTを購入し、動作確認、使用手順の確認を行った。また、次年度に設置・運用予定の係留系観測システムについて、仕様の検討を新学術領域の他班と行った。 南大洋において大きな現存量を持つハシボソミズナギドリの行動生態の観測を、タスマニアのウェッジ島において本格的に開始し、2018年3月下旬の時点で、南極大陸周辺海域までのロングトリップについて10個体以上のデータを得ることができ、2個体のヒナから胃油を採取できた。 総説論文を2本発表した他、12件の国際学会での発表、6件の国内学会での発表を行った。また、アウトリーチとして、5件のセミナー・講演会、メディア取材協力2件を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文の公表はやや遅れているが、12件の国際学会を含む合計18件の学会発表が行われ、今後論文として公表されることが期待される。 また、大型フレームトロールMOHTおよび係留系の購入と運用の準備は概ね順調に進んだが、海鳥類の行動生態調査に用いるGPSロガーの納品が遅滞する可能性があったことから、予算の一部を繰越し次年度早期に購入し、予定通り観測を実施した。 以上のことから、進展はほぼ計画通りといえ、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたサンプルについて、生物試料の安定同位体分析、魚類仔魚・動物プランクトンの消化管内容物、環境DNAの分析を行う。海鷹丸の練習航海(8月と10月)では、観測機材の取扱いの習熟、サンプル処理方法の確認などを主に行う。本航海(1月)ではMOHTやVMPS等を用いた生物採集を実施する。「しらせ」においても、海氷の採取を始めとした海洋観測を実施する。タスマニア・ウェッジ島でのハシボソミズナギドリの行動生態調査を実施する(1-2月)。
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