計画研究
遺伝子発現量の一細胞解析データを対象として,TGF-βを中心とする遺伝子相互作用系について,その悪性化に至るまで及び悪性化後の挙動までを明らかにする事を目指した.その結果,1つ1つの遺伝子の挙動を具さに調べ上げるまでには未だ至っていないものの,有効な解析法の1つを提案する事で基盤となるフレームワークを与え,また系の大局的な挙動を理解するまでを達成したと考えている.本件は,領域内の共同研究による成果である(東京大学定量生命科学研究所・林寛敦氏との共同研究及び東京大学医科学研究所・伊藤剛氏との共同研究).この成果では,遺伝子発現量マトリクス(遺伝子約1万3千種×細胞約400個)に対し,従来主流の細胞系譜過程推定とは異なる新しい観点として,遺伝子相互作用の推移過程を提示している.網膜視細胞の変性により失明を来す網膜色素変性症の遺伝子治療の問題点として光感受性遺伝子の光感受性の低さが挙げられており、昨年度、当研究室でバイオインフォマティクス技術を用いて、臨床試験が行われた遺伝子に比べ遥かに高い光感受性を持つ遺伝子(ComV1)の開発に成功した。今回、ComV1遺伝子を網膜色素変性症モデルラットの網膜に導入し、回復される視覚機能を電気生理学的、行動学的に調べた。また、バイオインフォマティクス技術を利用して開発した光受容クロライドチャネル遺伝子(ChimGt12)を用いた視細胞変性保護効果について検証した。ComV1遺伝子の導入により視覚誘発電位の回復が見られ、また、行動解析による視機能評価においても日常の室内光程度の光強度においても反応することが確認された等の結果から、ComV1遺伝子を利用することにより失明から視覚を回復できること、ChimGt12遺伝子を用いることにより視細胞の変性を遅延させ失明に至らない治療法となる可能性が示された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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