多様な人々が集う現代社会において、顔と身体表現の文化的な相違や個々のバリエーションを知ることは、異文化理解の観点から重要である。特に意識の外に追いやられた文化的相違を知ることは、異文化理解においては必須とされる。 本研究では、こうした文化的差異や個人差の成り立ちを検討することを目的とした。特に、意識の外に追いやられた潜在的な過程の文化的差異を知るため、顔と身体表現の“顕在処理過程”と“潜在処理過程”の発達から検討した。さらに、顔認知が成立する乳幼児を対象に、顔認知における潜在的学習と顕在的学習という2 つの学習プロセスの結びつきと、その定型と非定型な発達についても検討した。
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