近年脳腫瘍の予後予測や組織分類に有用な遺伝子変異が示唆された。脳腫瘍手術中の迅速遺伝子診断はより正確な術式設定、早期最適術後治療を可能にする。本研究では脳腫瘍で見られるいくつかの遺伝子変異の迅速診断技術を確立した。 名古屋大学工学部が開発したナノワイヤデバイスは脳腫瘍患者尿中の腫瘍由来核酸を捕捉できる。その中の微量な変異遺伝子を検出するためには、高感度測定が必須である。本研究では99.99%の感度でIDH1遺伝子R132H変異を正確に検出できる測定系を構築した。今後この技術がSNPs解析装置と合わせて臨床に応用し、正確な術前診断、術中迅速診断により個々の患者に最適な層別化医療の提供が期待できる。
|