計画研究
言語を特徴づける階層性と意図共有の認知基盤が、いつ(歴史的側面)、どのようにして(生態学的側面)出現したのかを明らかにすることを目指して研究を行った。歴史的側面については、化石頭蓋から古人類の脳機能を推定する研究を進めた。現代人とチンパンジーのCTデータから脳鋳型を取り出し左右差について分析する方法を構築し、化石人類の脳鋳型の評価に応用した。化石頭蓋のもつ歪み評価とその補正を行った顎形態より、舌先摩擦音の発生について、シミュレーション分析を論文として発表した。また、考古資料の分析では、国際シンポジウムにおいて、旧人や初期ホモ・サピエンス研究の第一人者達と道具製作の工程の複雑化と言語の出現に関して議論した。生態学的側面については、新型コロナウイルス拡大のために延期していたタンザニアでのチンパンジーの野外調査を実施した。これまでに蓄積していたデータも加えて、音声コミュニケーションを含むチンパンジーの挨拶行動についての学術論文を執筆した。また、数理生物学的手法を用いて、階層性・意図共有の認知基盤の出現を駆動した淘汰機構をモデル化する作業を進めた。特に、初期人類の連合形成に関する数理モデル研究について、強化学習のアルゴリズムを用いたモデルの拡張を行った。さらに、入れ子のカップ課題を用いたヒトと大型類人猿の比較認知発達に関する研究を行った。飼育下のチンパンジーとヒト幼児を主たる対象として縦断的に行った実験について、行為の文法の記述法を用い、組み合わせの階層性の発達に関して再分析を進めた。ヒトと大型類人猿4種における定位操作の発達機序と道具使用の多寡に関するデータも含めて、再帰的な階層性をもつサブアッセンブリ方略がヒトとチンパンジーの双方で確認された結果に関し、言語の進化過程に関する特集企画内の論文および特集企画者として巻頭言の執筆を行い、Primates誌に特集企画が掲載された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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