研究領域 | 進化の制約と方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~ |
研究課題/領域番号 |
17H06390
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
長谷部 光泰 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 食虫植物 / 食虫性 / 進化 / フクロユキノシタ / ハエトリソウ / モウセンゴケ / 発生進化 |
研究実績の概要 |
【課題1.食虫性関連遺伝子の特定】フクロユキノシタの捕虫葉の大きさと捕虫葉形態、蜜腺、消化腺、吸収腺などの対応を明らかにした。また、予備実験で部分的な遺伝子組換えが可能であったアグロバクテリウム法を完成すべく、形質転換条件の検討を行っている。コモウセンゴケ、ハエトリソウについても比較対照のため同様の研究を行い、ハエトリソウの接触刺激伝達機構と記憶機構にカルシウムシグナリングが関与することを明らかにした。今後、コモウセンゴケについても解析し、モウセンゴケ型食虫性からハエトリソウ型食虫性への進化過程を推定する。 【課題2.環境摂動による遺伝子発現応答の解析】フクロユキノシタを異なる日照条件(16時間明8時間暗、8時間明16時間暗)、培養温度(15℃、25℃)、栄養(完全、窒素欠乏、リン酸欠乏)の全ての組み合わせで培養するとともに、連続明条件で培養温度(15℃、25℃)を変えた条件で(2x2x3+2=14条件)培養し、それぞれ16個の茎頂、成熟捕虫葉、成熟平面葉のトランスクリプトーム解析のためのRNA抽出を開始した。また、発生段階を追ったトランスクリプトーム解析のため、さらに、発現ゆらぎを解析できるよう、各茎頂ごとに、0.5 mm以上の全ての葉を採取した。さらに、ゲノム配列精度を上げるため、フクロユキノシタのゲノムリシークエンス、HiC解析の準備を行った。 【課題3.温度感受に関わるクロマチン動態の解析】植物の温度感受に関わるヒストンバリアントH2A.ZのChIP-seqに向けて、免疫沈降の条件検討および遺伝子制御領域の取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大量のフクロユキノシタを培養するために想定外の困難があり繰越をしたが、無事サンプリングを完了できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り研究を進める。
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