計画研究
肺線維症における肺の構造破壊は、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、マクロファージなど様々な細胞種の相互作用によって調節されていると考えられているが、その実態は不明なままである。我々は、組織中の数千~数万の細胞を高感度、高効率に解析可能なscRNA-seq解析法TAS-Seqの開発に成功した(PCT/JP2020/027123)。2021年度は、2020年度見出した肺線維症において増加する間質マクロファージ集団特異的分子であるC1qについて詳細に解析した。CCR2KOマウス及び並体結合実験により、シリカ誘導肺線維症において、C1q陽性間質マクロファージはCCR2非依存的単球及びlocal proliferationの両方に由来することが見出された。C1qKOマウスではシリカ誘導肺線維症が顕著に抑制され、またC1qの経気道投与により肺線維化が誘導されることが見出された。scRNA-seq解析により、C1qのprimary targetは線維芽細胞および上皮細胞であり、C1q投与により活性化線維芽細胞が誘導され、wnt/beta-cateninシグナルが亢進することがin vivo, in vitroの両方で見出された。また、C1q陽性間質マクロファージと類似した遺伝子発現パターンを持つヒト線維化肺の細胞として、SELENOP陽性マクロファージがあることを見出した(Ogawa et al BBRC 2022)。また、線維化における肺傷害のex vivoモデルとして、肺オルガノイドをブレオマイシンにより傷害するモデルを確立し、誘導される活性化2型肺胞上皮細胞は、in vivoモデルのそれと類似していることを見出した。他グループの報告でC1q関連遺伝子がヒト線維化の新たなバイオマーカーであることが見出されており、C1qの作用機序についてマウス・ヒトの両者で今後さらに解析をすすめる。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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