研究領域 | 予防を科学する炎症細胞社会学 |
研究課題/領域番号 |
17H06392
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東京理科大学 (2018-2021) 東京大学 (2017) |
研究代表者 |
松島 綱治 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50222427)
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研究分担者 |
橋本 真一 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 教授 (00313099)
上羽 悟史 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (00447385)
伊藤 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00595712)
七野 成之 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (70822435)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 肺線維症 / single-cell RNA-seq / ネットワーク解析 |
研究成果の概要 |
肺線維症における様々な細胞種の相互作用により構成される“炎症細胞社会”の変遷とその調節に関与する分子・細胞群の同定を通じ、新たな予防標的を見出すことを目的とした。既存技術を大きく上回る感度、正確性を持つ新規scRNA-seq解析法TAS-Seqを開発し、シリカ誘導肺線維症の進行に伴い増加する間質マクロファージ特異的分子としてC1qを同定し、C1qが線維芽細胞・肺胞上皮細胞に直接作用し線維化を促進することを見出した。さらに、炎症細胞社会の変遷の、経時的scRNA-seq データに基づくテンポラルネットワークモデルを構築し、ハブ細胞の変遷、それらに由来する液性因子を複数同定し、検証を進めている。
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自由記述の分野 |
炎症・免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、肺線維症における炎症細胞社会の変遷の実態が解明され、その変遷に関与する新たな細胞集団や分子が同定された。また、炎症細胞社会のscRNA-seqデータに基づくモデル化手法を開発し、病態に関与しうる細胞や分子群が複数同定されている。さらに、それら解析の技術基盤として、高精度・高感度なscRNA-seq法TAS-Seqを開発した。これらの研究成果は、肺線維症におけるあたらな予防標的を提供するのみならず、その他様々な炎症病態解析に応用可能であるという点で、学術的意義は大きい。肺線維症の予防標的の同定は、COVID-19の感染拡大を踏まえると、社会的意義も大きいといえる。
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