計画研究
RNF213 R4810K変異は、もやもや病(MMD)の感受性要因となる。本研究ではE3 ligaseに関わるUbiquitin化シグナル経路での変動に注目し、①血管閉塞に関わるRNF213シグナル系の解明、②Apoptosisに至る細胞分裂におけるRNF213の役割、③Apoptosisを引き起こすER stress Signal系、④腸内細菌との関連の解明を目指した。①CRISPR/Cas9によるRNF213欠損細胞などを用い、受容体型チロシンキナーゼ系や脂質シグナル系、炎症シグナル系がRNF213により制御されることを見出し研究を継続した。またMMD由来iPS細胞とその野生型修復iPS細胞から分化させた血管内皮細胞について、シングルセル遺伝子発現解析により、両者の差異を見出し、更に比較解析を進めている。②RNF213 KOにより誘発される細胞分裂に関わる形質について、RNF213発現を回復させることで、異状の多くの形質が元に戻るか見たところ、多くの形質は元に戻らず、内在性のRNF213の至適な発現量があることが推定され、この仮説に基づき研究を継続している。③変異Ins2 Tg細胞株化を進めている。Hela細胞でRNF213のknockdownにより19遺伝子の発現が上昇していた。SEL1LはERADにおいてタンパクの分解を促進しER Stressを緩和する。SEL1Lに注目し、HelaおよびMEFにおいてRNF213 knockdownおよびKOはSEL1Lを介して化学的ER Stressorによるstressを緩和していた。RNF213がSEL1Lをユビキチン化の基質としてタンパク質分解を調節することで、ER Stressを制御する系の存在が示唆された。④患者の糞便試料および対照から腸内細菌叢の比較を行った。Ruminococcus gnavusがMMDで多いことが見いだされた。また、頭蓋内血管閉塞病変p.R4810K保因者は、R. gnavus が非保因者に対して高い傾向にあったが統計的には有意ではなかった。(p = 0.058)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Lancet Neurology
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