計画研究
共生微生物による生産が予想される二次代謝産物を含むカイメンを研究対象に、それぞれのカイメン中の共生微生物と化合物生産の関係を調べた。まず、Mycale sp.に含まれるトリスオキサゾール類のmycalolideの生産微生物の解析をおこなった。カイメンの胚においてカイメン細胞と生産菌をそれぞれ染色することにより、胚中に生産菌が存在すること、すなわち、生産菌が親から子に垂直伝播することを明らかにした。ついで、内部が黄色のTheonella swinhoei yellow (TSY)を解離後、ナイロンメッシュを用いて分画、および、密度勾配遠心分離に付し、複数種の数珠状の共生微生物であるEntotheonellaの取得に成功した。分画したEntotheonellaを抽出後、LCMS分析に付すことにより、各個体に共通に含まれるonnamideを生産する種類と、およそ1割の個体にだけ含まれるtheonellamide Iを生産する種類を分けることができた。さらに、内部が白色のTheonella swinhoei white (TSW)中のEntotheonellaについても、分画とLCMS分析を同様に行い、マクロライドのmisakinolideを生産する種類とtheonellamideを生産する種類が異なることを明らかにした。現在、それぞれのEntotheonellaのゲノム解析を行なっている。また、calyculin Aを含むDiscodermia calyxに含まれるEntotheonellaのゲノム解析をおこない、calyculin Aおよびkasumigamideの生合成遺伝子を含むゲノム情報の取得に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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