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2018 年度 実績報告書

植物宿主特異的毒素における化学コミュニケーションの理解と制御

計画研究

研究領域化学コミュニケーションのフロンティア
研究課題/領域番号 17H06407
研究機関東北大学

研究代表者

上田 実  東北大学, 理学研究科, 教授 (60265931)

研究分担者 高岡 洋輔  東北大学, 理学研究科, 講師 (80599762)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2022-03-31
キーワード宿主特異的毒素 / AK-トキシン / コロナチン
研究実績の概要

移動することのできない植物は、外部環境の変化に対応するための多様な環境応答機構を有している。このため、植物の生活環には、化学コミュニケーションが関与する重要な研究課題が未解決のまま山積している。特に植物は、病原性微生物などの外敵との間に、各種の化学物質が介在する化学コミュニケーションを発達させている。世界における農作物予定収穫量の15%は病害によって失われていることを考えると、植物-微生物間コミュニケーションの理解は、病害に対する植物の防御応答強化につながり、食糧資源の増産に大きく寄与すると期待される。本研究では、植物病原菌が特定の植物種にのみ病害を引き起こすユニークな生物現象に着目し、その原因分子である天然物リガンド 植物毒素ならびに宿主選択的毒素(HST: host-selective toxin)をツールとするケミカルバイオロジーにより、その分子標的ならびに作用機序を解明する事を目的としている。
本年度は、HSTの基本骨格であるのエポキシトリエンカルボン酸の合成的供給に成功し、これを基に化合物ライブラリーを構築した。この中から、宿主選択性がモデル植物であるイネへと変化した毒素分子を見いだすことに成功した。この化合物は、今後HSTの作用機構解析を可能とするプローブ分子として使用できると考えられる。また、天然物リガンド 植物毒素に関しても各種の分子プローブを合成し、その複数の作用の中から有用な作用のみを活性化できることを見いだした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エポキシトリエンカルボン酸の合成的供給ににより化合物ライブラリーを構築し、宿主選択性のスイッチングに成功したことは大きな成果である。また、天然物リガンド 植物毒素に関しても各種の分子プローブを合成し、その複数の作用の中から有用な作用のみを活性化でき、今後の研究展開に道を開いた。

今後の研究の推進方策

今後は、開発したプローブ分子を用いて、ROS発生機構、病原性決定に関与する因子の探索などの作用機構解析を行う。また、植物毒素コロナチンに関しては、植物免疫機構の制御因子としての活性チューニングと、それを用いる植物病原菌間相互作用に関与する遺伝子群の探索に必要な化学ツールの開発を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [国際共同研究] マドリード自治大学(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      マドリード自治大学
  • [雑誌論文] A comprehensive in vitro fluorescence anisotropy assay system for screening ligands of the jasmonate COI1-JAZ co-receptor in plants2019

    • 著者名/発表者名
      . Takaoka, K. Nagumo, I. N. Azizah, S. Oura, M. Iwahashi, N. Kato, M. Ueda
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 294 ページ: 5074-5081

    • DOI

      10.1074/jbc.RA118.006639.

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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