計画研究
1つのオルガネラの中には、異なる役割を担う場が存在し、これを“オルガネラ・ゾーン”と定義する。本計画研究では、細胞の様々な様態におけるオルガネラ・ゾーンを可視化し、その形成機序や生物学的な意義を明らかにした。また、オルガネラ・ゾーンを制御する分子の探索も行った。特に、研究代表者および研究分担者が専門とする“病原体に対して誘導される生体防御応答”について、オルガネラ・ゾーンの観点から解析を進めた。R3年度に研究代表者は、ウイルス感染を模した刺激を加えることのできるイミキモドを用いて、Live cell imaging for secretion activity(LCI-S)を行い、マクロファージの細胞膜上に形成されるゾーンから炎症性サイトカインが放出されることを示すデータを得た。また、マクロファージのファゴリソソーム膜の損傷を起点として活性化する自然免疫機構について解析を行い、細胞膜上にポアを形成し、large DAMPsの放出に関わる分子を同定した。さらに、これらの応答を抑制することが出来る化合物を同定し、その作用機序の一端を明らかにした。研究分担者は、細菌感染時に誘導される“オルガネラ応答ゾーン”の形成に関与する新規オートファジーアダプター因子について、リン酸化修飾及びオリゴマー化の重要性、また、NOD2を介した自然免疫応答シグナル伝達との関連を明らかにした。また、RNAウイルス複製オルガネラゾーンの解析においては、ウイルス感染によって生じる膜構造が、小胞体カルシウムポンプの阻害時に生じる膜構造と類似していることを見出した。さらに、小胞体内腔カルシウムイオンの流出がウイルス複製オルガネラ形成のトリガーになる可能性を見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (23件) (うち招待講演 3件)
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