計画研究
<小胞体ストレスセンサーの選別輸送ゾーン>ATF6については、PERK欠損の影響を検討した。PERKが欠損すると、ツニカマイシン処理によるATF6の活性化は阻害され、タプシガルギン処理による活性化は正常に起こった。ストレスの作用機序によってATF6の応答性や制御機構が異なる可能性が示唆された。ゴルジ体小胞体間シャトルによるIRE1活性化機構については、ショットガンプロテオーム解析を通じた小胞体ストレスセンサーIRE1のER-ゴルジ体シャトル関連輸送分子の探索(尾野との共同研究)から、ER-ゴルジ体間輸送関連Cargo receptorをがん細胞特異的IRE1輸送因子として同定した。特に、乳がん細胞において、IRE1は小胞体ストレス依存的にERからゴルジ体に移行後にO結合型糖鎖修飾され、その直後から長期間活性化が維持されることを明らかにした。<小胞体のタンパク質分解ゾーン>小胞体のタンパク質分解機構として、ERAD(小胞体関連分解)とERpQC(予防的小胞体品質管理)がある。両者に関わる分子であるDerlinの作用機序を解析し、分子メカニズムとして結合分子(Sec61β)を同定した。Derlinの生理機能として、脳中枢神経系での遺伝子欠損マウス作製により、神経突起伸長に必須であることを見出した(iScience)。また、Delin1とDerlin2の基質選択性の仕組み解明を目的に両者の結合分子を比較し、レクチンであるOS9、XTP3-BがDerlin2特異的に結合することを見出した。<ミトコンドリアー小胞体連携ゾーン>PERKのミトコンドリアストレス特異的リン酸化の細胞内局在を観察し、PERKがMAMでリン酸化されることを明らかにした。また、PERKをリン酸化する分子メカニズムについては、ミトコンドリアストレス依存的なPERKの複合体形成とHSP90の関与を見出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (2件)
生化学
巻: 94 ページ: 97~101
10.14952/SEIKAGAKU.2022.940097
eLife
巻: 10 ページ: e70357
10.7554/eLife.70357
Scientific Reports
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