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2021 年度 実績報告書

魚類の脳における性スペクトラム

計画研究

研究領域性スペクトラム - 連続する表現型としての雌雄
研究課題/領域番号 17H06429
研究機関東京大学

研究代表者

大久保 範聡  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10370131)

研究分担者 中城 光琴  大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60824795)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2022-03-31
キーワード性スペクトラム / 魚類 / 脳 / 行動
研究実績の概要

昨年度の研究によって、FeSPニューロンで発現している分泌顆粒への輸送に関わる遺伝子、および、RNAポリメラーゼの修飾に関わる遺伝子が、確かに性ステロイドの制御下でFeSPニューロンで発現していることが明らかとなった。そこで今年度は、それらの遺伝子のノックアウト個体を作出し、メスの性行動の表現型解析を行うこととした。まずは分泌顆粒への輸送に関わる遺伝子のノックアウトメスの性行動を解析したが、特に変化は認められなかった。念のため、オスの性行動も解析したが、やはり変化は認められなかった。RNAポリメラーゼの修飾に関わる遺伝子については、現在、解析の準備を進めている。

昨年度までの解析によって、FeSPニューロンで発現するプロスタグランジンE2受容体の一種ptgr4bが、求愛の受け入れを制御する分子として機能している可能性が示唆されたため、ptgr4bノックアウトメスのFeSPニューロンの電気活動がどのように変化しているのかを調べた。その結果、ptgr4bノックアウトメスのFeSPニューロンは自発発火頻度が低下していることが明らかとなった。また、神経ペプチドが細胞内に蓄積していることも明らかとなった。神経ペプチドのmRNA量には変化がなかったため、自発発火頻度が低下することにより、神経ペプチドの放出が阻害されていると考えられた。一方、ptgr4bノックアウトメスのFeSPニューロンのグルタミン酸への応答には変化がなかったため、ptgr4bがグルタミン酸受容体のリン酸化を介して電気活動に影響を及ぼすという当初に想定していた可能性は否定された。また、プロスタグランジンE2やそのアンタゴニストを投与しても自発発火頻度に変化は認められなかったため、FeSPニューロンに対するプロスタグランジンE2の作用は急性的なものではないことが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Estrogen mediates sex differences in preoptic neuropeptide and pituitary hormone production in medaka2021

    • 著者名/発表者名
      Yamashita J, Nishiike Y, Fleming T, Kayo D, Okubo K
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 4 ページ: 948

    • DOI

      10.1038/s42003-021-02476-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] How do evolutionarily conserved neural substrates give rise to variation in social behaviors across species?2021

    • 著者名/発表者名
      Okubo K
    • 学会等名
      Japan-Norway Symposium on Fish Endocrinology and Genomics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Estrogen receptor 2b plays an essential role in establishing female mating behavior in medaka2021

    • 著者名/発表者名
      Nishiike Y, Okubo K
    • 学会等名
      Japan-Norway Symposium on Fish Endocrinology and Genomics
    • 国際学会
  • [学会発表] Prostaglandin receptor 4b (ptger4b) regulates female receptivity in medaka2021

    • 著者名/発表者名
      Fleming T, Okubo K
    • 学会等名
      Japan-Norway Symposium on Fish Endocrinology and Genomics
    • 国際学会
  • [学会発表] 性ステロイド環境に応じてメダカの性行動パターンをメス型化する脳内メカニズム2021

    • 著者名/発表者名
      西池雄志、大久保範聡
    • 学会等名
      第45回日本比較内分泌学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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