研究領域 | 情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究 |
研究課題/領域番号 |
18049015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近山 隆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40272380)
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研究分担者 |
湯淺 太一 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60158326)
上田 和紀 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10257206)
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キーワード | 計算機システム / ソフトウェア学 / ハイパフォーマンスコンピューティング / 並列分散処理 / アルゴリズム |
研究概要 |
爆発的に増加する大量の情報を効率的に扱うソフトウェアの構成には、広域に分散配置した高度な並列性を持つ情報システムを柔軟に記述できるソフトウェアの枠組が基本技術として必要となる。このためのプログラミング言語やミドルウェアのシステムと、複雑なソフトウェアの正当性を検証するためのシステムを対象に研究を進め、具体的なシステムを提案、設計、実装し、その性能を検証した。 計算モデルと記述体型については、さまざまな処理を同時並行的に遂行するシステムを適切に記述する計算モデルについては、階層グラフ書換えモデルに基づくプログラム言語LMNtalを対象に、理論・実装の両面からの検討を加えた。また、正当性の確保が難しい大規模ソフトウェアの自動検証のためのモデル検査手法について、状態空間爆発の抑制、探索の並列化などを施し、並列処理による高速化を図り、高い性能向上を得た。さらに、分散環境において共有メモリモデルをメッセージ通信に基づいて効率的に実装する枠組として、共有を明示的に指定するミドルウェアDistributed Memory Interface (DMI)を設計・実装、MPIを直接用いた記述と大差ない性能を実現した。 計算資源選択・割当て機構については、我々のグループが開発した実時間GC技術である、スナップショット方式と複製に基づく実時間コピー方式を、クラウド環境における端末として普及が見込まれるAndroidに内蔵されるJava仮想マシンDalvikに適用し、応答性能を向上実現した。 これらを含むこの補助金を得て開発したソフトウェアツール分の多くを公開し、広い利用に供している。
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