研究概要 |
(1)異種情報の統合検索とオブジェクト・知識検索の研究:Web1.0情報とWeb2.0情報の相互連携による検索精度向上の研究として、質問応答サイト(Web2.0)の回答情報に対し、これを補完する別解をWeb1.0から検索する手法を開発した。また、Webからの知識抽出の研究として、地域内のオブジェクトの関係のアナロジーに基づくオブジェクト検索の研究を行った。これによって、例えば、「京都におけるある飲食店Aは東京においてどの飲食店にあたるか」という例示検索が可能となる。本手法では、選ばれた例と選ばれなかった例の関係、例が選択された地域(京都)と検索対象となる地域(東京)の関係を考慮することで,より精度良く,また異なる地域間での例示検索を可能にした。さらに、従来のデスクトップサーチの大きな欠点として,検索条件を定義する際にユーザが検索語の意味を定義できないために検索の適合率や再現率が低いことから、本研究ではこの欠点に対応した意味的検索手法の研究を行い、本手法を用いたオフィス文書の意味的検索システムを開発した。 (2)ユーザ適応型情報検索の研究:ユーザ情報に基づく情報検索の研究として、コミュニティ型のQ&Aコンテンツの質問・回答情報を利用し、主観的ファセットを抽出することで、ウェブ検索ユーザのクエリ修正や検索結果再ランキングを支援する手法を実現した。また、ユーザの、検索結果に対する信憑性フィードバック情報をもとに、ユーザの信憑性判断モデルを自動推定し,それを用いてウェブ検索結果を再ランキングする手法・システムを開発した。 (3)情報閲覧・検索・操作ソフトウェアのシームレス融合の研究:ユーザの簡単なインタラクションで任意の検索サービスの検索結果ページの構造抽出を可能とする技術を実現し、様々な検索サービスで再ランキングが使用できるシステムを開発した。提案システムはユーザが検索結果ページに対してインタラクションすることで,動的に検索結果の属性値を抽出し再ランキングに利用できる。これにより、検索サービス側の検索機能に依らず、ユーザ主導の観点で検索結果を閲覧することが可能となる。
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