研究概要 |
(1)没入型インタラクション環境における動作推定システムおよびそれによるロボット動作の制御をさらに発展させた.複数のセンサ情報を統合することで,従来問題であったセルフオクルージョンによる推定誤りを大きく低減することができた.さらに,3次元追跡のための計算量の軽減,顔方向を推定するアルゴリズムの改良,ロボットの動作制御を改善した.これらの改善されたシステムを用いて,実際に人間がWOZ操作するロボットと人間のインタラクションを観察し,問題なくインタラクションが可能であることを確かめた.また,実世界環(IMADE)と没入型インタラクション環境(ICIE)を接続し,評価を行った.(2)360度のパノラマ画像とそれに対応する奥行き情報および存在するオブジェクトの領域情報を生成し,これらの情報を没入型スクリーンへ提示する手法を開発した.本手法では,撮影後の画像処理によってカメラパラメータを推定するため,撮影時点において大がかりな機材を必要とせず,レンジセンサなどを利用する手法に比べて実世界での作業時間を短縮することができる.また,一般的なカメラが進入可能であれば復元が可能であるため,狭く,入り組んだ場所や車両が進入できない場所を復元することもできるさらに,ある程度の奥行き情報が復元されていれば,マンハッタンワールド仮説に従わないオブジェクトに関しても復元可能である,(3)コンテンツの自動取得・再生モデルに関して,人間を取り巻く情報システムがその「場」や「状況」を記録し,利用者の必要に応じてそれらを提示する機能を「環境記憶」とし,それを用いて利用者の行動支援を行うモデルを提案した.発言者の発言パターンの解析を行い,そのパターンを類型化することによって,議論の構造化を行うことができる可能性を示した.
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