研究概要 |
本研究において目的とするモニタリングアーキテクチャは,情報基盤,社会基盤,入々の日常生活を守るためのソフトウエアの一群である.通常は独立に研究されていた研究分野を統合することにより,従来解決が困難であった問題を解決していくことを可能とする.本研究では,計算機システム,ネットワークシステム,実世界に関する統合的なスケーラブルモニタリングに関するシステム構築をおこなうことで将来の計算機システムのあるべき姿を検討した. 本年度は以下の2つのテーマに関して取り組みをおこなった. (1)Webサービス性能解析ツールmBrace mBraceはLinuxカーネルが提供する細粒度タイマー機能を利用することによりWebサービスが受け付ける各HTTPリクエストがWebサーバ,CGIスクリプト,SQLサーバ等の各コンポーネントにおいて消費するリソース量を詳細に分析可能とする。これにより,Webアプリケーションのバグの発見やサーバのキャパシティプランニング等のために必要となる有用な情報を提供することが可能となる. (2)スケーラブルモニタリングを可能とするIntegrity MonitorIntegrity MonitorはLinuxカーネル内のデータ構造の状態遷移をモニタリングする.異常を検知するためには,予めどのような異常が発生するかを想定し,異常な状態に陥ったときに,正常な状態との違いを明らかにしておく必要がある.Integrity Monitorはこの違いを用いることで監視対象の異常を検出することが出来る.
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