計画研究
地球環境変化に対する海洋のフィードバック効果を定量化することが急務である。そこで本研究では、強力な赤外放射活性を示したり有機エアロゾル核を形成したりするような大気化学的に重要で、かつ海洋がその収支に重要な役割を果たしていると考えられる微量気体(メタン・亜酸化窒素・水素・一酸化炭素・揮発性有機分子(VOCs)・含酸素揮発性有機分子(OVOCs)など)について、その海洋表層における生成(分解)過程の詳細や環境条件変化に対する生成(分解)量の応答を明らかにする。本年度は、前年度に開発した観測船搭載用の海水中の微量気体成分連続モニタリングシステムを、2008年7月より9月にかけて西部北太平洋海域において行われた大気-表層海洋相互作用の総合観測航海(「白鳳丸」KH08-02次航海)に搭載し、外洋で世界初となるOVOCs(含酸素揮発性有機分子類)などの分布観測を実現するとともに、船上で培養実験を行い、各種プランクトンなどの放出特性を把握した。また同航海では同時に、溶存硝酸イオンの三酸素安定同位体組成や溶存水素分子や溶存メタンの水素安定同位体組成、溶存酸素分子の三酸素同位体組成、さらに海洋の窒素固定速度について実測を実現し、観測海域における大気沈着由来の硝酸混合比や微量気体の挙動、窒素固定速度平面分布などを定量して、微量気体成分連続モニタリングシステムの結果解析や特定領域の他班の解析などに貢献した。成果は国内外の学会で発表するとともに、国際誌に投稿した。
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Atmospheric Chemistry and Physics 8
ページ: 273-284
Rapid Communications in Mass Spectrometry 22
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Journal of Geophysical Research 113
ページ: doi : 10.1029/2007JC004217