計画研究
H18年度は以下の項目を実施した。(1)船舶海洋定点観測および広域観測:北海道大学おしょろ丸等を用いて、北太平洋亜表層・中層水形成海域付近の高緯度海域(オホーツク海も含む西部北太平洋高緯度海域)において、水深2000m程度までの採水観測調査を実施し、温室効果気体の基礎データを得た。調査項目は、炭酸物質、DMS、N_2O、CH_4、水温、塩分、クロロフィル、珪酸塩、リン酸塩、硝酸塩、溶存酸素で採取・分析を行った。同時に自立型CO_2・pHセンサー観測を実施も実施した。また、海洋循環変動の基礎データとして、浅海・深海乱流計を設置するとともに、乱流・混合等の直接測定を実施した。(2)アルゴリズム開発:船舶観測により得られる詳細な基礎観測データおよび、これまでに得られている既存のデータをもとに、炭酸物質・DMS・N_2O・CH_4のアルゴリズムの開発に着手した。その結果、DMSは、栄養塩、光強度、クロロフィル濃度と良い相関があり、N_2Oは酸素、表層混合層深度と良い相関あることを明らかにした。これらの結果を踏まえて、DMS・N_2Oの表層濃度復元のためのアルゴリズムが可能であることをわかった。(1)海洋循環モデル実験:20年変動が海洋環境変動に与える影響を単純化して組み込んだ数値モデルを用いて、北太平洋高緯度域への影響を評価し、観測で得られた結果と比較検討を行った。風の変動に起因する変動が同時に存在する場合の変動特性についても検討し、北太平洋で卓越する数10年規模変動への寄与についての検討ならびに、3層高解像度モデル作成について着手した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Marine Chemistry 103
ページ: 347-358
Geophysical Research Letters (投稿中)
Geophysical Research Letters 33
ページ: doi:10.1029/2005GL025237
Journal of Geophysical Research 111
ページ: doi:10.1029/2995JC003277