研究領域 | 海洋表層・大気下層間の物質循環リンケージ |
研究課題/領域番号 |
18067003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
齊藤 誠一 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (70250503)
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研究分担者 |
石坂 丞二 長崎大学, 水産学部, 教授 (40304969)
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
虎谷 充浩 東海大学, 開発工学部, 准教授 (90246075)
森本 昭彦 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 准教授 (80301323)
平譯 享 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (70311165)
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キーワード | 衛星観測 / 突発的現象 / 台風 / 黄砂 / 植物ブランクトン / 大発生 / 光学的特性 / 数値モデル |
研究概要 |
高緯度、中緯度海域で大発生して大気への温室効果気体DMS放出する円石藻類や窒素固定作用をおこなうTrichodesmium藻類は、大気海洋間での物質循環に大きなインパクトを与えている植物プランクトンに注目する。現場データによってこれらの植物プランクトンの光学特性を明らかにして,衛星による判別を行い,その時空間変動を明らかにする。一方、台風・黄砂など突発的なイベントに注目する。それが生物過程に与える影響を衛星データと合わせ検証する。大気擾乱に対する応答を表現する海洋モデルを結合し、台風等の気象擾乱に伴う海洋の物理的応答を調べ、衛星観測に基づく風応力、海面水温、クロロフィルa濃度などのデータに対して比較検証すると共に、それらの変化をもたらす乱流・湧昇などの物理的機構を明らかにすることを目的とする。 本年度の成果を以下にまとめた。 1.中緯度・低緯度における基礎生産への台風の影響 ・1997年から2006年までに150個の台風について系統的に解析した。台風通過後に植物プランクトンバイオマスの増加が確認できたケースは94個で、全体の63パーセントであった。基礎生産が台風の影響で増加が大きかったのは2003年と2004年であった。 ・台風通過に伴う海洋の応答とりわけ乱流混合、湧昇、慣性重力波の励起及びこれに伴う水温変化などの実態とメカニズムについて、大気・海洋のメソスケールモデルによる数値シミュレーションモデルを改良した。 2.高緯度・中緯度における基礎生産への黄砂の影響 ・黄砂通過時の海色データの高精度大気補正アルゴリズムを改良した。 3.高緯度・中緯度における大発生植物プランクトンの時空間変動 ・1997年以降のベーリング海における円石藻類分布衛星データベースを解析した。解析した結果、2002年以降、秋に円石藻類が増加する傾向が見られた。2007年も秋季に円石藻類分布を確認できた。 ・円石藻類発生時の高精度大気補正アルゴリズムを改良した。
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