計画研究
本年度の成果を以下にまとめた.1. 衛星海色データを用いて高緯度海域における植物プランクトン群集の機能別分類手法の開発を行った. 光吸収係数および散乱係数の両方を用いたモデルを作成し, 大型・小型またはケイ藻類・ハプト藻類の優占・非優占については約80%の正確さで識別できることを確認した. また, 同上の存在比率に関しては変動の60%程度まで推定できた.2. 改良Mellor-Yamada乱流境界層モデル(MYNNモデル : Nakanishi and Niino, 2006)を塩分と温度の両方が考慮できるように改良した海洋数値シミュレーションモデルを完成し、台風に伴う海洋の応答を調べた. 本モデルは山中班に提供し、台風通過に伴うブルーミングの研究に利用された.3. 台湾北東海域において、台風の通過に伴う黒潮流軸の変動とそれに伴う基礎生産の増加について遠距離海洋レーダーと人工衛星データを用い研究を行った. 本研究により、台風の接近により黒潮流軸が陸棚上へ移動すること、そしてその移動は台風接近に伴う強い南風の連吹により起こることを明らかにした. さらに、黒潮流軸の陸棚上への移動に伴い黒潮の西側で湧昇が発生し、その数日後に基礎生産が増加することが分かった.4. 台風による基礎生産量の増加について、これまでの1997〜2006年に続いて、2007年の解析を加えた. 2007年に北西太平洋で発生した20個の台風のうち、11個で基礎生産量の上昇が確認された. よって、1997〜2007年では、解析対象170個中105個(61.8%)において上昇が確認された. また、2007年の基礎生産量の増加の総量は、170GgC/yearであった. これは、2006年までの平均値539GcC/yearよりも小さく、2007年を含めた基礎生産量の増加の年平均値は520GcC/yearとなった.
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