研究概要 |
昨年度得られた結果をもとに、アルゴリズム開発および参照テーブルの作成を行った。台風によって励起された領域の大きさや継続時間のとり方により、一つの台風による総生物生産量が大きく変わることが分かったために、参照テーブルに用いたアルゴリズム開発が、当初の見込みより難しいものとなった。参照テーブルは、昨年度得られた結果ものを、結果、台風の速度を、時速7.2や21.6kmに加え時速3.6km,10.8km等としたケース、また、台風の中心風速を、30m/sに加え20m/s,40m/s,50m/s等としたケースを実施し、アルゴリズムの開発と合わせて、生物生産量の設定の変更などを行った。その結果、ある程度の推定が出来るようになったが、複雑な経路、特に、転向点付近については、今後の検討を要する。また、昨年度の結果については、論文を投稿し、査読を受け、再投稿をする作業を行っている。また、溶存鉄と粒子状鉄、および、起源としてダストと大陸棚から溶解を考慮した鉄循環過程を導入し、ミカエリスメンテン式から最適栄養塩取り込み(OU Kinetics)に変更、大小の沈降粒子の導入など、また、パラメータ調整も遺伝的アルゴリズムによる方法を導入した。各海域で観測された亜熱の再現性が向上した。現在、重光(本経費で雇用された博士研究員)および山中がこれらの結果をまとめる論文を執筆中である。鬼塚は、日本海のおける、ダストにより窒素供給に伴う生態系の応答について、SOLAS Open Science Conferenceにて研究成果発表を行った。
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