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2006 年度 実績報告書

高分子溶液の微小流動におけるレオロジー

計画研究

研究領域非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究
研究課題/領域番号 18068006
研究機関東京大学

研究代表者

土井 正男  東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (70087104)

研究分担者 奥園 透  東京大学, 大学院工学系研究科, 特任講師 (10314725)
山上 達也  東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (80376491)
キーワード乾燥プロセス / 薄膜 / ゲル化 / シミュレーション
研究概要

微少流動現象として、基板上の高分子溶液の溶媒蒸発に伴う流れに焦点をあて、高分子液滴の乾燥に伴う形状変化の実験とモデル化、および、自由表面におけるスキン(ゲル状の膜)形成過程のダイナミクスについて研究を行った。
平衡接触角度が85度と半球に近いアニソール-ポリスチレンの液滴の乾燥過程と乾燥後のドット形状を、初期濃度が0.01〜3.0%、初期体積が0.5〜500nlと初期濃度は2桁、初期体積は3桁に渡る広いレンジの液滴について計測し、乾燥後のドット形状を決める因子の普遍性を調べた。その結果、高分子液滴の乾燥過程は(1)接触線を固定したまま後退接触角度まで変形(2)球帽形のまま接触線が後退(3)再び接触線が止まり固化・変形、の3段階に分かれることがわかった。特に(3)の過程において蒸発速度が急激に低下する事が観測された。これは、液滴表面でのゲル膜の生成と関係していると考えられ、そのプロセスは蒸発速度、液滴半径、および拡散係数を用いて定義したペクレ数によって特徴付けられることがわかった。
一方、高分子溶液乾燥過程の簡単な1次元モテルを提案し、スキン形成に関する理論的な考察を行った。このモデルでは、スキンを自由表面付近に形成されるゲル相とみなし、移動境界を伴った拡散方程式により、そのダイナミクスを記述した。このモデルの理論的および数値的額解析によって、スキン形成のプロセスがペクレ数によつて特徴付けられることを示し、スキン形成条件に関する解析的な表式を得た。この結果は、上記の実験結果を定性的に説明するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Diffusion process during drying to cause the skin formation in polymer solutions2006

    • 著者名/発表者名
      Kin'ya Ozawa
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics 45・11

      ページ: 8817-8822

  • [雑誌論文] Simple Model of Skin Formation Caused by Solvent Evaporation in Polymer Solutions2006

    • 著者名/発表者名
      Tohru Okuzono
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 97・13

      ページ: 136103-1-136103-4

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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