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2008 年度 自己評価報告書

ゾル・ゲル転換の分子機構

計画研究

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研究領域非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究
研究課題/領域番号 18068010
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関京都大学

研究代表者

田中 文彦  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50107695)

研究期間 (年度) 2006 – 2010
キーワードゾル・ゲル転移 / 両末端疎水化(テレケリック)高分子 / 水和とミセル架橋 / 混合溶媒によるゾル・ゲル転移点の移動 / 共貧溶媒性 / 組替えゲルの粘弾性 / 剪断流のシックニング現象 / 応力極大
研究概要

統計力学的理論解析及びレオロジー理論解析に基づいて,高分子溶液(融液)のゾル・ゲル転換の基本特性を解明することにより,転移特性を制御する方法を開発する.また,モデル物質を用いてそれらの制御法を実験的に確認する.
(1) ゲル化点(特に温度)の制御 : ゲル化温度Tgや濃度cgが会合基や官能基の数,配置,結合強度にどのように依存するかについて統計熱力学を基礎にした理論解析を行い,その予測を実験的に検証する方法を考案する.これにより,ゾル・ゲル転移温度の人工移動,高温ゲルと低温ゲルの間の反転,再帰ゾル・ゲル・ゾル転移などが分子設計で可能になる.
(2) 転換幅(鋭さ)の制御 : ゲル化点で弾性率がどのような鋭さで立ち上がるかを,複素弾性率(弾性的に有効な鎖の数)の理論計算で予測する.例えば,水素結合基の数と鎖上の配置を工夫し,水素結合架橋ゴムの転移温度幅が狭く鋭い転移にできれば,製造工程(ゾル状態)では加工し易く,使用時(ゲル状態)には強固なゴムが開発できる.
(3) 転換速度の制御 : 任意の初期条件からゲル化点に到達するまでの時間,ゲルの融解に要する時間を分子動力学的な視点から研究を行い,架橋反応のダイナミックスや反応速度を温度や外力印加でコントロールする分子機構を解明する.ゲル化に要する時間が短縮できれば転換に要する時間が節約できる.逆に,ゲルの融解に要する時間を遅延させることができれば薬物の徐放に応用できる.
(4) ゾル・ゲル転移点での流動制御 : 非線型定常粘度のシックニング-シニング特性,剪断開始流の歪み硬化,応力ピークなどの分子論的メカニズムを解明することにより,非線型流動特性を制御する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Temperature-Responsive Polymers in Mixe d Solvents : Competitive Hydrogen Bonds cause Cononsolvency2008

    • 著者名/発表者名
      F. Tanaka, T. Koga, and F. M. Winnik
    • 雑誌名

      Phys. Rev. Lett. 10

      ページ: 028302[1-4]

  • [学会発表] Competitive Hydrog en Bonding in Solutions of Temperature-Sensitive Polymers in Mixed Solvents2008

    • 著者名/発表者名
      Fumihiko Tanaka
    • 学会等名
      International Symposium on Non-Equilib rium Soft Matter
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-06-03
  • [学会発表] 熱可逆ゾル・ゲル転移は相転移か?2007

    • 著者名/発表者名
      田中文彦
    • 学会等名
      第56回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2007-05-30
  • [図書] ソフトマターのための熱力学2009

    • 著者名/発表者名
      田中文彦
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      裳華房

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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