研究概要 |
高機能・高性能化が要求されるソフトマター材料の構造制御には, 結晶化機構の理解が重要である。ソフトマターの結晶化では, ソフトマター自身のつくる粘弾性ネットワーク場により, 容易に平衡から遠く離れた系が実現されるため, 自励振動, 形態不安定性, 複雑な時空パターンなど, 非線形非平衡系でみられる多彩な時空構造が重要な現象となる。そこで, 近年発展の著しい非線形非平衡動力学の立場を機軸とした, ソフトマター結晶化の研究が待たれていた。本研究では, 結晶性高分子, 有機分子, タンパク質分子を対象物質として, 結晶配向や成長速度の自励振動, 固液界面不安定性, 結晶分岐の時空パターン, 粘弾性時空構造内での結晶化など, 粘弾性場に強く支配されたソフトマター結晶化の非線形非平衡動力学に焦点を当て, 多くのソフトマター材料の基本構成要素である結晶集合体の形成過程を, ソフトマター粘弾性に立脚した機構によって解明している。
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