研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
18069002
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉川 明彦 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20016603)
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研究分担者 |
石谷 善博 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60291481)
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キーワード | 窒化インジウム / 光物性・分光計測 / キャリアダイナミクス / 表面・界面物性 / ナノ構造光デバイス / MBE、エピタキシャル |
研究概要 |
(1)p型・n型InNの非輻射性キャリア再結合過程 (1)Mgドープ試料:MgドープInNは発光強度が弱く、その原因解明を行っている。H21年度は、V族極性の試料について、フォトルミネッセンス(PL)発光強度の結晶温度依存性を解析した結果、Mgドープ量が増加し10^<18>cm^<-3>程度の密度になると、15Kから室温への温度上昇による発光強度の減衰割合が大きくなり、Mgドープ量増加により活性化エネルギーの低い非輻射再結合過程が支配的になっていることが分かった。また、過剰Mgドープによりn型伝導特性となった試料でもPL発光強度がアンドープ試料に比べて小さく、新たな非輻射性の欠陥が発生していることが分かった。今後、p型領域、n型領域での非輻射性の欠陥をカソードルミネッセンス測定などにより同定する。 (2)アンドープIII族極性試料:平成20年度にPL発光強度の温度依存性を解析し、2つの非輻射過程があると考えられた一連の試料に対して、陽電子消滅法による点欠陥評価を行った。この結果、PL発光強度およびその温度依存性を示すパラメータとIII族空孔またはその複合欠陥量を示す陽電子消滅パラメータとの間に相関はないことから、非輻射性欠陥はV族空孔や酸素等の不純物に関連する欠陥である可能性が高いことが分かった。 (2)InNのp/n接合 電子密度1-2×10^<18>cm^<-3>のアンドープInN上にMgドープp型InNを成長した試料にガード電極を付加した電極形成を行い、電流-電圧(I-V)測定を行った。ガード電極への電圧印加による表面電流抑制したI-V特性からp/n接合形成が達成されていることが初めて分かった。この結果は、InNの半導体デバイス開発における重要なマイルストーンに到達したことを示す。
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