本研究の目的を要約すると、深紫外域までの波長域をカバーする発光デバイスを実現する為に、利用するAIGaN半導体の結晶品質を如何に高品質化するかを明らかにするとともに、高品質化したAlGaNにより、紫外から深紫外域における発光デバイスを実現しようとするものである。 平成20年度は、これまでの研究成果を更に発展させ、AIGaN半導体結晶の品質、特にこれまで困難とされてきていた、刃状転位密度の大幅な減少に成功した。これまでの刃状転位密度は10^9[cm^<-2>]台であり、非対称面(10-12)面に対するロッキング曲線の半値幅は700〜800[arcsec]が限度であった。平成20年度には、この値を、最も狭いもので35[arcsec]、平均として60[arcsec]にまでその半値幅を減少、対応する刃状転位密度を10^7-10^8[cm^<-2>]とした。この値は、現時点で最高の結晶品質である。
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