研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
18069010
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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研究分担者 |
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 准教授 (90266073)
野村 一郎 上智大学, 理工学部, 准教授 (00266074)
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キーワード | AlGaInN / 窒化物半導体 / ナノコラム / 光源技術 / 結晶成長 / InN / 選択成長 / 分子線エピタキシー |
研究概要 |
窒化物半導体光デバイスの適応域を赤色~近赤外域まで拡張することを目的とし、分子線エピタキシー法による高品質InNおよび高In組成InGaN・InAlNの成長および独自に開発したナノコラム技術の応用技術を駆使して、赤色~近赤外域における高性能光デバイス基盤技術の開発を行った。 本年度の研究成果を以下にまとめる。(1)TiあるいはTiO_2をマスクとするGaNナノコラムの選択成長技術を用い、GaNテンプレート基板上に規則配列InGaNナノコラムLEDを作製し、波長530nmにおける電流注入発光を実現した。(2)ナノコラム径を制御することで、一回の結晶成長で同一基板上に発光色の異なるナノコラムLEDを作製可能であることを示した。(3)アレイ型ナノコラムの配列周期を特定の波長において二次元的な光回折が生じるように設定することで、強い二次元光閉じ込め作用が発現し、波長477.6nm(緑青)~560.2nm(緑色)における光励起誘導放出現象を観測した。(4)規則配列GaNナノコラム上に高In組成InGaN活性層(波長1.3μm)を成長し、In組成ばらつきが抑制された良好な発光特性が得られることを確認した。(5)規則配列GaNナノコラム上に甲In組成InGaN活性層、p-InGaN層を積層した赤外域DH構造ナノコラムLEDを試作し、良好な整流性の観測と室温における赤外発光(ピーク波長1.5μm)の観測に成功した。(6)規則配列InNの結晶成長条件を高度に制御することにより、横方向成長を促進して極低転位領域の形成が可能であることを示し、室温PL半値全幅の狭い高品質InN結晶の成長技術を開発した。 これらの成果により、ナノ結晶を用いた窒化物半導体による赤色から近赤外域における長波長光デバイス実現に向けた明瞭な方向性を示した。
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