計画研究
本研究課題は、科学研究費補助金特定領域研究「窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現-」の計画研究として、窒化物光半導体によるワットクラスの半導体レーザ(LD)の実現を目指し研究を推進している。本研究課題のターゲットである紫外半導体レーザは、医療分野や精密加工などの工学分野において実用化が嘱望されている。このような目標を元に、平成19年度に推進した研究の概要ならびに成果を列記し概略について説明する。1.AIN上に作製したAIGaN層の高品質化…平成18年度までに基盤技術を確立した、高品質AIN上にAlGaNを作製する技術の確立をはかった。特に、AlGaNの格子緩和/結晶性劣化ならびにその回復過程、さらにはAlGaNの組成依存性について詳細な解析を進めた。さらにAINおよびAlGaNに溝加工を施すことによって、AlGaNの結晶の高品質化を進めた。以上の検討によって、半導体レーザに必要な低転位・クラックフリーな高品質なAlGaNを実現した。2.紫外LEDの高効率化…活性層の内部量子効率の向上、電流注入効率の向上を目指し、デバイスシミュレータ、デバイス試作および評価を進め、外部量子効率6.7%の350nm帯紫外LEDという世界最高の特性を実現した。3.紫外LDの特性改善の検討…高性能紫外LDを実現するために必須である、AIN上に作製した高品質AlGaN上に356nmの紫外半導体レーザを試作し、室温での電流注入による発振を確認した。また電流注入による素子特性の評価を進め、ワットクラスレーザに必要な課題を明確化した。上記の成果は、研究実施計画を遵守し進められており、ほぼ目標を達成している。今後は現状の問題点を整理し、最終目標を達成するのは当然として、紫外LEDや紫外LDの応用分野の開拓など、新機軸・新産業の構築を推進していく予定である。
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