ミューニュートリノからタウニュートリノへの振動現象の検出を行うために、2011年度もニュートリノの照射を継続し、2008~2010年度とあわせて約13000反応を原子核乾板標的中に蓄積した。 並行して2008年度~2009年度の反応の原子核乾板中での同定、反応の解析、その中でのタウニュートリノ反応探索を行い、最初の約1000反応の中に1例のタウニュートリノ反応を検出した。 また2010年度~2011年度の反応解析・崩壊探索を継続しチャーム粒子の崩壊をはじめとする崩壊候補の詳細解析を行った。 また同定された反応点中に電子ニュートリノ反応の探索を行った。電子ニュートリノの検出は、ミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動の検証において重要である。原子核乾板標的中で電子ニュートリノ反応から発生する電子が引き起こす電磁シャワーを系統的に検出するための手法開発を行い、検出効率50%以上で電子ニュートリノ反応を検出することができる用になった。 いずれも解析は継続中であるが、その成果を2012年6月に京都で開かれるNeutrino2012の国際会議で報告する予定である。 またニュートリノの速度の世界最高精度の絶対値測定を行った。現在その検証活動を継続中である。
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