研究領域 | フレーバー物理の新展開 |
研究課題/領域番号 |
18071005
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西川 公一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 所長 (60198439)
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研究分担者 |
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50314175)
小林 隆 , 素粒子原子核研究所, 教授 (70291317)
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キーワード | ニュートリノ / 質量 / 振動 / フレーバー混合 / T2K / 大強度ビーム / スーパーカミオカンデ / J-PARC |
研究概要 |
本研究は、素粒子の一つであるニュートリノの性質を解明するために、茨城県東海村の大強度陽子加速器J-PARCを用いて人工的に生成したニュートリノの大強度ビームを295km離れた世界最大の検出器スーパーカミオカンデで検出し、飛行中にニュートリノの種類が変化する「ニュートリノ振動」現象を詳しく調べるものである。具体的にはミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動現象を世界に先駆けて発見し、3種類あるニュートリノの関係を明らかにし、さらに将来宇宙の物質の生成起源のなぞに迫るための指標を与えることを目指している。 5年間かけて研究開発、建設してきたニュートリノ生成施設がH20年度中に完成し、H21年度はいよいよ実験開始の年度となった。4月23日には初めてニュートリノの生成に成功した。その後、夏の保守期間をはさんで12月まで総合試験運転(ビームコミッショニング)を続け、ニュートリノビーム生成と生成したビームの性質を精密に測定するためのさまざまな機器全ての動作、性能を確認した。1月からは大強度ニュートリノビームを安定にスーパーカミオカンデに送りはじめ、本格的なニュートリノ振動測定を開始した。2月24日には、初めてスーパーカミオカンデにて、J-PARCで生成されたニュートリノがおこした反応をとらえることに成功した。
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