研究領域 | フレーバー物理の新展開 |
研究課題/領域番号 |
18071006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 卓 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20243157)
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研究分担者 |
稲垣 隆雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60044757)
LIM Gei Youb 高干ネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90332113)
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30242168)
南條 創 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40419445)
鈴木 史郎 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50089851)
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キーワード | CP の破れ / K 中聞子 / 大強度陽子加速器 / J - Parc / ビームインラ |
研究概要 |
本研究の目的は、現在東海村で建設中のJ-Parc大強度陽子加速器を用いてK_L→π^0νν崩壊を観測することである。そのために、今年度は次のことを行った。 *実験の実現性を検討する審査を受け、その評価結果を受けてJ-Parcの実験審議委員会は実験を遂行するべきだとする"Stage-2Approva1"をKEK素核研に対して推奨した。 *モンテカルロシミュレーションを用いて、中性ビームラインの詳細な設計を行った。隣のビームラインの部品のためにK中間子の数が半減することがわかったが、その解決策を示した。 *電磁カロリメータをはじめとする測定器からの波形を逐次記録する回路を、海外の研究協力者であるシカゴ大が開発した。これは、パルスを正規分布に直すフィルターと14bit125MHzのFADCを組み合わせ、FPGAによって論理回路を改良していける柔軟性を持つ。FPGAの設計について学ばせるため、2007年11月には大学院生をシカゴ大に長期派遣した。また12月に米国Fermilabにおいて16本のCsl結晶をビームに当て、この回路の試作品を用いて信号を読み出し、ほぼ目的通り波形を読み出した。また、データを解析して、1nsec以下の時間分解能を持つことも確認した。試作品は阪大に送り、論理回路の部分の開発を初めている。来年度は今回わかった問題点を踏まえ、シカゴ大とともに実機に向けた試作品を開発する。 *FermilabのKTeV実験で用いた約2600本のCsI結晶をJ-PARCE14実験で用いる。実験に先立ち、全ての結晶と光電子増倍管の性能を阪大で測定する。Cslは潮解性を持つため、相対湿度10%以下の環境に置く必要がある。そのために、結晶の保管と試験を行うための乾燥室を建設した。また、光電子増倍管の試験を行うための装置を準備した。 *KEKの陽子加速器を用いたKEKE391a実験の2回目のRunのデータを解析した結果を発表し、学術雑誌に論文を投稿した。
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