研究領域 | フレーバー物理の新展開 |
研究課題/領域番号 |
18071006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 卓 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20243157)
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研究分担者 |
小松原 健 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30242168)
鈴木 史郎 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50089851)
田島 靖久 山形大学, 学術情報基盤センター, 准教授 (50311577)
南條 創 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40419445)
松村 徹 防衛大学校, 応用科学群, 助教 (00545957)
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キーワード | CP対称性の破れ / K中間子 / 大強度陽子加速器 / J-PARC / CsI電磁カロリメータ |
研究概要 |
本年度は,次の事を行った. ・ビームラインのコリメータなどの位置が地震のためにずれていることが測量によりわかったため、それらを設置し直し、ビームラインを復旧した。 ・CsI電磁カロリメータの建設:宇宙線を用いた試験と目視により、地震によってカロリメータの結晶に被害がないことを確認した。ただし、結晶全体がそれを支える円筒から約5mm前にせり出したため、それに対する対策を取った。 ・2011年8-9月にカロリメータ全体を密閉して真空を引き、"真空中での動作試験を行った。 ・2012年2月にビームを出し、宇宙線、K_L→3π^oとK_L→π^±e^±ν崩壊を用いてカロリメータのエネルギー較正を行った。この結果、本番実験で用いるエネルギー較正法が正しく使えることを示した。また、データ収集システムがカロリメータ全体からの信号の波形情報を正しく読みだせ、トリガーもデジタル的に生成できることを確認した。 ・カロリメータ前面を覆う荷電粒子検出器と上流のガンマ線検出器の製作方法を確立し、製作に入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネットワークスイッチを介したデータ収集システムの構築と、荷電粒子、ガンマ線検出器の組み立てについては少し遅れている。 しかし加速器とビームラインが予測より早く復旧し、さらに2月にビームを出して電磁カロリメータ全体を動かしてデータを取り、較正方法を確認した点は計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
震災のために計画全体が約1年遅れてしまった。しかし本研究計画終了後も、カロリメータの地震対策と修理、および他の測定器の建設を2012年の10月までに終え、2013年夏までに、新しい物理の探索を始めるのに必要なデータを収集する。その後は、ガンマ線検出器などの改良を加え、ビームの強度が上がるのに応じて探索の感度を上げて行く。
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