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2011 年度 実績報告書

重力レンズ効果による暗黒物質分布と宇宙の構造形成史の解明

計画研究

研究領域広視野深宇宙探査によるダークエネルギーの研究
研究課題/領域番号 18072001
研究機関東北大学

研究代表者

二間瀬 敏史  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20209141)

研究分担者 千葉 柾司  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50217246)
キーワード観測的宇宙論 / 重力レンズ / 暗黒エネルギー / 宇宙の構造形成
研究概要

本研究では、本領域が開発するすばる望遠鏡用の広視野カメラHSCで実現可能な大規模深宇宙サーベイを念頭に、重力レンズ効果に基づいた宇宙の質量地図の作成とそのための理論的方法の開発を目的とする。さらにHSCを用いた近傍銀河古成分のサーベイ計画についても検討を行う。本年度の成果は以下のとおりになる。
1.弱重力レンズ効果を測定するのに通常用いられる方法は、銀河像形状の四重極成分を精密に測定し、多数の銀河像の統計平均を取ることにより、重力レンズの潮汐力が引き起こす成分を引き出すというものである。我々は、さらに銀河像の高次の八重極成分の測定から、重力レンズ効果の小スケールの情報を引き出す新しい方法論を構築し、実際の銀河団に適用して中心部の暗黒物質の微細構造を得た。
2.現実的な宇宙の構造形成過程に基づいて重力レンズ擬似マップを作成し、重力レンズ効果と銀河の測光的赤方偏移の情報を組み合わせ、暗黒物質の擬3次元空間分布(赤方偏移+天球上の2次元位置)を復元する方法を開発した。
3.すばる望遠鏡からさらにステップアップして、ハワイ島に建設予定の30メートル望遠鏡と考案中の新しい中間赤外検出器を用い、銀河スケールにおける暗黒物質の微細構造をどのようにして検出できるか検討し、検出器の性能に対する提案を行った。
4.局所銀河群の外にある横向き銀河NGC55に対して、すばる望遠鏡を用いた広視野測光を行い、その古成分であるハローと厚い円盤成分を検出することに成功した。また、ハローの部分構造も検出することによって、この銀河の形成過程に制限を与えた。
5.HSCを用いた近傍銀河の古い恒星種族の研究のため、独自の設計に基づいた狭帯域フィルターを作成し、今後のサーベイ観測に向けて準備を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structure and Population of the NGC 55 Stellar Halo from A Subaru/Suprime-Cam Survey2011

    • 著者名/発表者名
      M.Tanaka, M.Chiba, et al
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 738 ページ: 150-158

    • DOI

      10.1088/0004-637X/738/2/150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Elliptically Weighted HOLICs for Weak-lensing Shear Measurement. I.Definitions and Isotropic Point-spread Function Correction2011

    • 著者名/発表者名
      Y.Okura, T.Futamase
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal

      巻: 730 ページ: 9-21

    • DOI

      10.1088/0004-637X/730/1/9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-Gaussianity Consistency Relation for Multifield Inflation2011

    • 著者名/発表者名
      N.S.Sugiyama, E.Komatsu, T.Futamase
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 106 ページ: 251301-1-251301-4

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.106.251301

    • 査読あり
  • [学会発表] Weak lensing study of DM subhalos in Coma cluster2011

    • 著者名/発表者名
      T.Futamase
    • 学会等名
      国際会議「The Accelerating Universe」
    • 発表場所
      パリ天体物理研究所(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-26

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公開日: 2013-06-26  

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