計画研究
特定領域の組織を立ち上げ、Hyper Suprime-Cam (HSC)詳細設計を進めた。特に、各部分の製作を担当すると予想される企業との具体的な打ち合わせを開始し、仕様策定に取りかかった。当研究室が提案している、SiTCP方式による読み出しエレクトロニクスの開発が進み、試作ボードの製作を開始した。パイプラインと呼ばれるCCDイメージデータ解析ソフトウェアの開発もRCMミドルウェアを使用する具体的設計を開始し、性能評価バージョンの製作に着手した。また、国際協力を推進し、米国プリンストン大学、スタンフォード大学線形加速器研究所(SLAC)、カリフォルニア大学デービス校の研究者との共同研究を開始した。特に、データ収集系プログラム、測光による赤方偏移(photometric redshift)のキャリブレーションとその系統誤差の評価、さらには、弱い重力レンズサーベイからダークエネルギーの状態方程式を導出するのに必要な解析手法の検討を共同で開始した。国立天文台ハワイ観測所との連絡を密にするためにTV会議システムを整備し、日常的に会議を行える体制を整えた。平成18年11Aには、東大本郷において広視野分光の研究会を開催し、さらに平成19年2月には、プリンストン大学天文学教室を訪問し、HSCでできるサイエンスの検討を推進した。本年度は、1名の学術研究支援員を雇用し、上記ハードウェア、ソフトウェアの開発に多大な貢献をしてもらった。ダークエネルギーの物理とHSC計画を含むダークエネルギー観測計画の解説記事を物理学会誌に掲載した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件)
日本物理学会誌 62・2
ページ: 83-91