本研究は、国立天文台と共同で、すばる望遠鏡に広視野(1.77平方度)のCCDカメラを製作し、約2000平方度の広域銀河探査を行い、約1.5億個の銀河の形状解析から、弱い重力レンズ効果による系統的形状歪みを検出し、遠方銀河と我々の間に存在するダークマターを含めた全質量分布を求め、宇宙の3D質量分布を作成するものである。さらに宇宙の大規模構造の形成と進化、銀河の個数分布と形状進化などの観測的宇宙論の研究を進めることによ6て、ダークエネルギーの正体に迫う。本年度の主たる研究実績ば、超広視野CCDカメラHSCの読み出し回路の完成と弱重力レンズ効果抽出用ソフトゥェアの開発である。具体的には、116枚の2K×4KピクセルCCD(全部で928メガピクセルのCCDカメラ)を読み出すためのアナログとデジタルのエレクトロニクスを完成させた。イメージング解析用プログラム群(パイプライン)や弱い重力レンズ効果から空間の歪み(cosmic shear)を抽出する方法の開発を進めた。さらに、宇宙論パラメータに制限をつけるために、銀河団撮像データをすばる望遠鏡主焦点広視野カメラSuprime-Camを用いて取得した。HSC用に開発したソフトウェアを用いてデータの1次処理(弱重力レンズ効果を解析する直前までの較正のことをいう)を行った。
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