研究領域 | 広視野深宇宙探査によるダークエネルギーの研究 |
研究課題/領域番号 |
18072003
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
唐牛 宏 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (30221196)
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研究分担者 |
宮崎 聡 国立天文台, 先端技術センター, 准教授 (20290885)
小宮山 裕 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (20370108)
浜名 崇 国立天文台, 理論研究部, 助教 (70399301)
中屋 秀彦 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70450179)
市川 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (80212992)
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キーワード | ダークエネルギー / ダークマター / 重力レンズ / すばる望遠鏡 / 観測的宇宙論 |
研究概要 |
本研究は、すばる望遠鏡の特長を十二分に生かし、すばる以外の既存の巨大望遠鏡では実現不可能な超広視野の主焦点カメラ(Hyper Suprime Camera=HSC)を開発・製作し、この新装置を用いて最低1000平方度超広域撮像探査を行うとするものである。本年度は、本計画研究のみならず領域研究全体にとって必要不可欠なHSCの設計を押し進め、並行してHSCの望遠鏡への取付条件・望遠鏡の改修必要性を検討した。 とりわけ今年度は以下の諸点で大きな前進があった: 1. カメラレンズ(補正光学系)の製作に関しては、大型精密透過光学系の設計製作に優れた実績を有するキャノン株式会社と契約し、光学系の機能設計とレンズ群を保持するレンズ筒の基本設計を行った。光学機能としては、指定された全ての波長域で仕様を上回る結像性能を発揮する設計が完成し、重量、製作可能性などの条件も満足している。レンズ筒は軽量化のためにファインセラミックス製新素材の使用を前提にした検討が行われ、基本設計としては満足すべき解を得た。 2. 本カメラを搭載するためのすばる望遠鏡本体とのインターフェイス条件の洗い出しと整理、必要に応じて望遠鏡側の改修改良部位の検討を続けた。すばる望遠鏡の設計製作に係る専門的知識と特許を所有する三菱電機と契約を締結し、実現の難易度や必要な工期と経費などを撮像探査のスピードとの関連で総合的に勘案した結果、最適な視野角は2°ではなく1.5°超との結論を得た。 3. 研究計画A02と緊密に協力しながら、CCD素子の調達計画の具体化、CCD読み出し回路の高性能化、フィルターの実現可能性調査と干渉膜の試作などを行い、本研究課題の実現に向けて着実に進展を続けている。
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