研究領域 | 広視野深宇宙探査によるダークエネルギーの研究 |
研究課題/領域番号 |
18072003
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
唐牛 宏 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (30221196)
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研究分担者 |
宮崎 聡 国立天文台, 先端技術センター, 准教授 (20290885)
小宮山 裕 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (20370108)
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キーワード | ダークエネルギー / ダークマター / 重力レンズ / すばる望遠鏡 / 観測的宇宙論 |
研究概要 |
本研究はすばる望遠鏡の特長を十二分に生かし、他の既存の巨大望遠鏡では実現不可能な超広視野の主焦点カメラ(HyperSuprime Camera=HSC)を開発・製作し、この新装置を用いて最低1000平方度超広域撮像探査を行うものである。探査天域に含まれる銀河の数は2億個程度と推定され、これらの銀河の形状解析から(弱い)重力レンズ効果による系統的形状歪みを検出することにより、遠方銀河と我々の間に介在する(暗黒物質を含めた)全質量の分布を求めて「質量分布地図」を作成する。平成21年度は以下のような進捗があった。116個の光センサー(完全空乏型CCD)を冷却するためのデュワーの試作器を製作し、冷却性及び真空保持性能の評価を行った。この結果を踏まえ本デュワーの設計及び部品発注を行った。シャッター及び鏡面検査装置(SH)の試作及び試験が完了した。CCDを読み出す偉くとロニクスは、量産版の製作を行い、年度末までに納品された。補正光学系を構成するレンズ部は発注先のキヤノン栃木工場で全レンズの研磨が完了した。レンズを組み上げるためのセラミック製の鏡筒部材は、京セラに発注し全品納品された。来年度はこの鏡筒部品の非破壊検査を行い、検査終了後組み上げる予定である。望遠鏡との機械的インターフェースを担う部品(主焦点ユニット)は三菱電機において設計が進み、一部機械部品が完成した。観測データを処理するためのデータ解析システムは、現行のすばる主焦点カメラをより効率よく解析するシステム構築を開発することを通じて、必要な技術課題の洗い出しを行った。HSCは2011年秋に完成させ、観測を開始する予定である。
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